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「妖怪ハンター」が文庫化してた <諸星大二郎>
2006 / 01 / 22 ( Sun )
来ていたメールを見ていると
「妖怪ハンター」が文庫化していたと知った。
(発行年月日からすると去年末に行なわれていた模様)

この作品は「稗田礼二郎」という
妖怪ハンターが活躍する話で
おどろおどろしい妖怪が出てきたり
伝奇現象をモチーフにしたりする話です。

正直この方の漫画は絵柄自身からもうなんだか恐い。
「梅図かずおとかの方がもっと恐いじゃないか」という
意見もあるがそれはそれで恐いがこちらも恐いです。


少年時代はその絵柄から世界感から
もうなんだか生理的にダメで
全く読まなかったのですが、
高校時代以降に「稗田礼二郎」シリーズの短編を読んで
日本のわらべ歌とかそういった昔から伝われている物を
題材にしたストーリーの構成などから面白いと感じ初め、
近年発表された「私家版鳥類図譜」などで
日本の古事などを題材にしたりなど、
独特な世界観が好きな人にはたまらない。

読んだ話だと「とうりゃんせ」が題材になっていました。
そのときまでは普通に「悲しげなわらべ歌」だなと
思っていたのですが、歌詞中の「恐いながらも」通ったりと
何か言葉の裏に隠された「何か」という部分の
考察などが非常に面白かった。
そこから食わず嫌いがようやく直った感じになり、
大人になって若干の耐性が付いて
ようやく「恐いながらも面白い」と
感じるように慣れました。

今まで収録されなかった短編なども文庫化の折に
纏められたそうなので、
文庫で一気に読もうかなと思います。



蛇足:
「とおりゃんせ」の歌詞は

「とーりゃんせ、とぉりゃんせ」
「ここは何処の細道じゃ。」
「天神様の細道じゃ。」
「ちょっと通して下しゃんせ。」
「御用の無いもの通しゃせぬ。」
「この子の七つのお祝いに、お札を納めに参ります。」
「行きはよいよい、帰りは怖い、
怖いながらも、とおりゃんせ、とおりゃんせぇ。」

・・・という物でした。
ただ普通に歌うだけなら、内容に対して
何も考えずに歌って居ました。

よく考えると、
これは「誰と」会話しているのでしょうか?
そして行きは良いけど、帰りはなぜ恐いのか?

わらべ歌というのは
子供にとりあえず意味はいいけど覚えさせなくては
いけない決まり(ことわり)を伝える意味があるのだと思います。

子供に理解力があって
「どうどう、どう言う理由が
あってこれはいけない」と理解して
くれればいいのですが、
子供の方は返事は良いけど、
本当にそれを守ってくれるのだろうか?

形骸だけでも良いからまずは
伝えていかなくてはならない「事態」が
あったのかもしれません。

都市伝説の話で
「~~に遭ったときはこう答えろ」見たいな物で。
とりあえず覚えとけ、と。

まあ都市伝説は人間の想像力で
「あるある」と思っていると
本当にあると思い込んでいく枯れ尾花ですが、
それが現実に神隠しとかそんな摩訶不思議な物が
現実に存在していたかは別として、
「それがある」と信じられてきたそういう世界観の中で
生まれ育って培われて、こういう数々の「わらべ歌」などが
生まれたりしたのかもしれません。

そういう風に考えていくと
昔の伝承に隠された面白さが見え隠れしそうで
好奇心も刺激してくれます。


個人的には今新しい漫画でこういったものは
「World 4u_」も面白いのですが、
ヤングアニマルなどで連載されている
「御石神落とし」が面白いです。

話の内容は昔の土着文化とか民俗学を
題材にしていますが、
昔の人の豊穣信仰=男根崇拝などの性的な祭り、
それに対する当時の人の大らかな捉え方、
そういった物が面白く読みやすく描かれています。

性行為シーンも乱婚とかが当たり前な時代なので
そういうシーンも毎回出てきますが、
そこで面白く感じとれるのは、
当時の人は畑が実らないといけないとか
そういう信心的な部分もあって
下卑た嫌らしさがないのが
1作品として読みやすいです。

「一夫多妻制は実は女性の権利が
強かったから生まれた制度だった」
この文章を見て「え!?違うだろ」とか
「男の欲望ありきでしょ?」と思った人は
漫画喫茶でも良いので読んでみると面白いですよ。

こんなに昔の農村では性がおおらかなのか?とか
思えるとテレながらも「へー」と
感心しながらたのしく読める作品です。
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